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はだしのゲン
『はだしのゲン』は、中沢啓治による、自身の原子爆弾|原爆の被爆体験を元にした漫画。同タイトルで実写映画やアニメ映画化もされている。2007年には初めてテレビドラマ化される。
概要
1972年に「週刊少年マガジン」の漫画家自伝企画の第1弾として掲載された、中沢の自叙伝『おれは見た』を元に、脚色を交えて1973年から「週刊少年ジャンプ」での連載が始まった。作品の内容、表現等について様々な意見があるが、作者の実体験に基づく原爆の惨禍や当時の時代背景・世相風俗を良く表現していながら、教育的なだけではなく優れたエンターテインメントとしても見せる名作として国内外での評価は高く、映画・アニメ・ミュージカル・絵本化もされている。自伝を元にした作品で、作中のエピソードの多くも中沢が実際に体験したことである。しかし当然ながら、実際の体験と作中のエピソードには差異がある。例えば中沢は父や姉弟の死を直接には見ておらず、後に実際に立ち会った母から聞かされている。また母親の死にも中沢は立ち会っていなかった(作中の戦後すぐの死去ではなく終戦から20年後で、中沢は当時東京にいた)。作中にもある母親を火葬した際、骨が残らなかったエピソードが、中沢に広島原爆の被爆を題材とした漫画を描かせるきっかけとなる。単行本、文庫本などを含めた累計発行部数は1000万部を超える。2007年5月30日からウィーンで開催される核拡散防止条約(NPT)運用検討会議の第1回準備委員会で、日本政府代表団は、本作の英訳版を加盟国に配布することになった。これは、漫画好きでも知られる麻生太郎外務大臣の肝いりで実現したもの。外務省が英語版30冊を出版社から譲り受け、今後も「漫画外交」を活発に展開させる予定。(時事通信、2007年4月29日)
連載誌
*1973年〜1974年 - 週刊少年ジャンプ
*1975年〜1976年 - 市民(オピニオン雑誌)
*1977年〜1980年 - 文化評論
*1982年〜1985年 - 教育評論